2024年度入試について

都立高校入試の主な変更点

 2024年度都立高校入試における最も大きな変更は、男女合同定員への移行でしょう。以前にも東ジャーナルで解説したのでここで詳しく述べることは避けますが、恐らく推薦入試で大きな影響が出ると思われます。推薦入試は一般入試よりも内申点の比率が高いので、平均的に内申点が高い女子が有利と見られるからです。男女別募集を行っていた普通科が男女合同定員の推薦入試になると、ほとんどの学校において女子の合格者数が増えることは確実です。一般入試は高い内申点を持った女子が抜けた形で行われることになり、応募者、および合格者の男女比に影響を及ぼす可能性があります。

 その他の変更点については、以下にまとめておきます。(近隣の都立高校に限定)

 〇推薦枠の変更:橘(30%→40%)など
 〇文化・スポーツ等特別推薦:
  【とりやめ】足立東、科学技術(科学技術)、蒲田、大田桜台
  【追加】本所、葛飾総合など
 〇集団討論の再開:日比谷、西、竹早、北園、篠崎、足立工科など
 〇学科改編:科学技術の一部を改編し「創造理数科」を設置。(推薦試験では、「創造理数科」は文化・スポーツ等特別推薦で、従来の「科学技術」は一般推薦で選考を行う)

都立高校一般入試の傾向

 2023年度入試(今年の2月に行われた入試)では、その前の年に比べて平均点が国語は12.0点、英語は1.7点、社会は6.4点上昇しました。一方、数学は1.4点、理科は2.0点下降しています。東京都教育委員会の分析によると、最も平均点が伸びた国語では、得点分布のピークが前年度の70点~74点から90点~94点に移り、85点以上の受検者の割合が12.8%から49.6%に増加しました。漢字はおおむね身に付いているものの、登場人物の心情やその心情を生む要因について描写をもとに捉える力や、文脈に即して筆者の意図や叙述を捉える力、単語の類別について理解する力などが十分ではないと指摘しています。
 また、最も平均点が下がった理科では、得点分布のピークが前年度の96点~100点から72~75点に移り、80点以上の受検者の割合は27.7%から21.1%に減少しています。イオンの生成や、実験の目的などに関する基礎的・基本的事項の知識・技能などの定着に課題がみられたほか、消費される電力と抵抗器に加わる電圧の大きさの関係性を分析し考察することに課題があったと分析しています。

私立高校入試の主な変更点

 2024年度私立高校入試の変更点をいくつか挙げておきます。

 〇校名変更:蒲田女子→羽田国際(共学化)、淑徳SC→小石川淑徳学園
 〇コース改編:
  共栄学園(未来探求、理数創造、国際共生、探求特進、探求進学)
  神田女学園(総合教養→キャリアデザイン、国際教養→グローバル、高度教養→アドバンスト)
  関東国際(外国語科にフランス語コースを新設)
 〇募集停止:安田学園(進学コース募集停止)、目黒日本大学(スポーツ・芸能コース募集停止)